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滋賀の食事文化研究会は、滋賀の食に関心のある人なら誰でも入会できる任意団体です。
メンバー構成は、家庭の主婦、教員、公務員、栄養士、調理師、食品関係従事者、農業関係者など多彩なメンバーが揃っています。
研究会は学習活動を中心にすえ、2カ月に1回位のペースで開催しています。毎回テーマを設定し、現地へ出かけ、その地域の食べ物や文化と接し、地元の人から学んでいます。研究成果を報告しあい、実習を入れた研修もしながら、地域の食事文化の継承に努めています。
小・中学校や高校の要請に応じて出前講座を行ない、地域の伝統食を若い世代に伝える活動を実践しています。またKBSラジオ、中日新聞では、週1回のペースで、滋賀の伝統料理を広報し、普及をはかっています。
平成3年(1991年)3月に農山漁村文化協会から出版された日本食生活全集第25巻「聞き書・滋賀の食事」の編集者・執筆者を中心に当初13名で「滋賀の食事文化研究会」が発足しました。現在はおよそ120名になり、女性が3分の2、男性が3分の1を占めています。
活動の成果は、会報や年報「滋賀の食事文化」にまとめてきました。
淡海文庫シリーズ(サンライズ出版)には、食分野で参加して、現在までに「ふなずしの謎」、「お豆さんと近江のくらし」、「くらしを彩る近江の漬物」、「近江の飯・餅・団子」、「湖魚と近江のくらし」、「芋と近江のくらし」の本6冊を出してきました。
平成4年(1992年) | 県との共催で、「食品シンポジウム」開催。 |
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平成6年(1994年)~ 平成9年(1997年) |
滋賀県教育委員会(文化財保護課)で、平成6年から3年間にわたって「滋賀県伝統食文化調査」が実施され、本研究会から約20名のメンバーが参加した。 |
平成10年(1998年) | 従来の活動の成果が実って、滋賀県で無形民俗文化財として「滋賀の食文化財5点」が選択された。 |
平成11年(1999年)~ 平成12年(2000年) |
「滋賀の食文化財調査」が実施され、研究会のメンバー10名が参加し、食文化財の地域ごとの詳細と違いを明らかにして、記録し、報告してきた。 参照:滋賀県教育委員会発行「滋賀の食文化財」 「滋賀県伝統食文化調査 資料編」 |
平成13年(2001年) | 研究会発足後10周年を記念して、滋賀女子短期大学で、第1回「食事博」を開催した。伝統食展示と研究発表、講演会を中心に、2日間でおよそ800名の参加があり、盛況のうちに幕を閉じた。 |
平成14年(2002年) | 琵琶湖博物館の企画展「湖の魚・漁・食」に協力した。琵琶湖の湖魚文化のおもしろさを多くの人に伝えることができた。 |
平成17年(2005年)~ 平成18年(2006年) |
滋賀県の伝統食材調査に協力。合併前の50市町村ごとにそれぞれの伝統食材をリストアップし、栽培状況と調理・加工方法ついて調査した。平成19年(2007年) 3月には、その成果を冊子にして、滋賀県に答申した。 参照:滋賀県農政水産部農業経営課「近江の特産物発掘調査報告書」 |
平成23年(2011年) | 研究会の20周年となるこの年の3月には、第2回「食事博」を琵琶湖博物館で開催しました。記念シンポジウムと滋賀の伝統食展示を中心に1ヶ月間展示を行い、およそ8千名の参加がありました。伝統食の展示と試食、シンポジウムを中心に盛り上がりました。 |
滋賀県は、中央に日本一の淡水湖「琵琶湖」があり、フナズシを始めとして、きらりと光る食文化が多く残っています。伝統食にはたくましく生きてきた人々の知恵や技がいっぱい蓄積されています。そんな地域の貴重な財産を継承していきたいと願っています。
世界中で日本食が注目されているにもかかわらず、日本の中では伝統的な食文化の継承が危うくなっています。日本の食料自給率は熱量ベースで4割と先進国の中では最低の状況です。地域の伝統食を守っていくことが、地域の農業や漁業を守っていくことにつながると考えています。
伝統的な地域の食材と食技術から学び、記録し、再現して、若い世代に継承していくことが、私たち研究会の目的です。