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会長挨拶

平成31年4月の総会で会長に選任された長谷川嘉和です。どうぞよろしくお願いします。

平成3年に会が結成されてからまもなく30年になろうとしています。30年といえば一世代にあたり、世代交代の時期を迎えています。若い会員にうまくバトンをつなぐことが会長としての役割の一つであると思っています。若い会員に多数加入していただき、若い力でこれからも長く会を継続していければと考えています。そのためには、ちょっと入会してみたい、だれもが魅力を感じる会にしていかなければなりません。気づくことがあれば小さなことでも何なりと、皆様からの意欲的な提案を期待しています。そうして会員全員で会を発展させていきましょう。

滋賀県に隠れた魅力がまだまだあります。それらを発見し発掘するために2か月に一度の定例研究会を欠かさず開催してきました。年6回開催する定例研究会のうち4回は現地へ足を運び、そこで見聞きし食べて学ぶものでした。同じところへ2度訪れても再発見することがあるかも知れません。また、近隣の同好の団体とも交流を深めて手を取り合っていきたいと思います。

話はそれますが、近頃は、根底に観光がうかがわれる遺産登録ブームになっています。平成27年4月24日には、文化庁の日本遺産に「琵琶湖とその水辺景観~祈りと暮らしの水遺産~」が認定されました。また平成31年2月15日には、日本農業遺産に滋賀県琵琶湖地域の「森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」が認定され、さらに世界農業遺産への認定申請も承認されました。日本遺産「琵琶湖とその水辺景観」は、水と暮らしの文化・水と祈りの文化・水と食の文化の3つのテーマからなりたっており、琵琶湖とその周辺に36の構成文化財があるとされます。また、農業遺産は「水田営農に支えられながら発展してきた1000年の歴史を有するエリ漁や独特の食文化が継承されている琵琶湖の伝統的な内水面漁業を中心としたシステム」とあります。ともに食文化が主要な要素に組み込まれています。滋賀県の遺産登録には、食文化をはずすことができないということです。

琵琶湖と食、滋賀県民は長く琵琶湖の水産物に食料を求めてきました。近年はその割合が低下しつつあるように思われます。しかし、魚料理で川魚を好む人は食通だとされます。川魚は鮮度が第一で漁獲してすぐに調理しなければなりません。そうした淡水魚を食べてきた歴史の中にはさまざまな知恵と工夫が伝えられています。

その食生活の知恵を記録にとどめ保存伝承するべく、滋賀県教育委員会では平成10年6月19日に「滋賀の食文化財 湖魚のなれずし、湖魚の佃煮、日野菜漬、丁稚羊羹、アメノイオ御飯」を無形の民俗文化財に選択しています。調理法など無形の文化財は、時代とともに変化する要素を内包しているため指定できず、文書や映像などで記録して保存します。

これほど重要な滋賀の食文化ですから、これからも調査研究と継承発展に努めていきたいと思います。

滋賀の食事文化研究会会長長谷川嘉和